エボロック
前回では日本人が苦戦する英語の発音について書きました。
英話をマスターする際、しつこいほど「正しい発音」について言われるでしょう。
今回は、実際にアメリカやヨーロッパに在住した筆者が、英語を生活手段として使って経験した発音の重要性についてシェアします。
Contents
ぶっちゃけ発音は重要?
答えはズバリ、Yes and Noです。
何と比較するかによって重要度は変わってくるのと、必ずしもすべての状況で重要だと言うことができないからです。
要するに、英語を話すために最優先項目ではないということです。
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発音が綺麗なら、英語っぽく上手に聞こえるのは事実ですが、語彙力やイディオム力がほとんどなくてただ発音が綺麗なだけでは意味がありません。
あくまでも英語はコミュニケーションを図るための語学です。
さらにわかりやすいように、欧米諸国に住んだ経験をもとに数値で表すと40パーセント程度でしょう。
40パーセントを多いと感じるか少ないと感じるかは個人差があると思いますが、個人的に発音の優先順位は高くもなく低すぎず、真ん中くらいです。
当然発音が正しくできるに越したことはありませんが、発音のセンスがないからと悲観的になる必要は全くないということです。
発音が重要な理由
ここからは私が思う40パーセントの理由について具体的に説明します。
その①発音が異なると全く別の意味になる
前回の記事で紹介したように日本人が苦手とする「LとR」や「SとTh」など、発音が違うと全く別の意味になる単語はいくつか存在します。
代表的なのは「Light」と「Right」、「Lice」と「Rice」、「Walk」と「Work」など、日本人には区別するのが難しい単語は意味が全く異なります。
特に2番目の「Lice」と「Rice」はちゃんと発音できないととても恥ずかしい思いをしてしまうことがあります。
Riceは米ですよね、Liceはシラミという意味のlouse(単数形)の複数形です。
例えば英語圏のレストランでお米を注文しようとするときに、Rの音が正しく発音できず日本語のラ行である「ライス」と言えば、「Lice」の音に近くなります。
おそらく店員は一瞬かなりビックリするでしょう。シラミを置いているレストランなんて絶対にないですが、LとRが混在する日本人の発音について知らなければ、必ず聞き返されるでしょう。
その②頻繁に聞き返されて会話にならないことがある
これは平均的な発音レベルではなく、英語を話していても周りからすると日本語にしか聞こえないほど日本語訛りの強い人にありえることです。>いくら単語や文法がしっかりしていても、相手に伝わるのは口から発した言葉ですよね。
その言っていることが聞き取れなければ、何度も何度も聞き返されることになり会話のキャッチボールが難しくなります。
会話にならないまでいかなくても、毎回毎回聞き返されるのは話している側としてもなんだか面倒になってきますね。
その③スピーキング力とリスニング力は関係する
よく英語学習では「話す・聞く・書く・読む」と4技能に分けられますが、全て同じ英語なので関連しています。>特に話す力のスピーキングと聞く力のリスニングは非常に密接しています。
一般的に、自分で発音できる単語は聞き取れると言われています。
逆にいうと発音できない単語を聞き取るのは難しいということです。
発音できるということは自分で音の識別ができるということなので、耳から聞いた音でも当然識別できます。
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わかりやすい例として日本語の「山」という漢字を使います。日本人なら山は「やま」や「さん」と発音するのを知っていますよね。しかし、日本語を勉強している外国人で、もし山を「やま」としか覚えていない人からすると、たとえ何回「富士山」と聞いても、富士山の山が「さん」とは聞き取れません。
「ふじやま」と言えばわかるでしょうが、要するに自分で発音できない音を聞き取るのは難しいということです。
発音が重要でない理由
ここでは残りの60パーセントの理由について詳しく説明します。
その1.会話の流れや文脈で理解できる
発音が重要な理由その①で発音によって意味が全く異なることがあると書きましたが、
発音の重要度はあくまでも40パーセント、重要でない方が60パーセントなので高いです。
必ずではありませんが、多少発音が間違っても会話の流れや文脈から内容は推測できます。
例えば、「year」と「ear」は日本語では同じ「イヤー」で日本人には区別するのは非常に難しい単語ですが、どちらかが言えなくても文脈でほぼ100パーセント理解してもらえます。
Yearならその前に数字が来たりしますよね。
・I went to France two years ago. (私は2年前、フランスに行きました。)
がもしearと発音しても、
・I went to France two ears ago. (私は2耳前(?)、フランスに行きました。)
とは誰も思いませんよね。もし指摘してくる人がいたら、その人は単なる意地悪です。
またLightとRightも、英語では全く違う音ですが、右という意味のRightを言うときは方向について会話していることがほとんどなので、相手もある程度予測はできるでしょう。
道案内などで方向を指すときは、ジェスチャーも交えるので尚更理解してもらえます。
その2.発音を意識しすぎると話せなくなる
英語を学習している日本人をみていて、個人的に一番よく感じるのがこれです。
日本ではどうしても発音が綺麗=英語が上手というイメージがあり、多くの人が執拗に発音を気にしながら話しています。
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ここまでで述べたように発音は最重要項目ではなく、もし間違えてもたいていの場合は理解してもらえます。
話すときに発音を気にするあまり、言葉に詰まったり、単語が出てこなかったりして結果的に上手く話せないことが多くあります。
発音も大切だけども、世界中で話されている英語には正しい発音なんて存在しないということを覚えておくことが重要です。
インド人だって英語が堪能だけれども、強いインド訛りがありますよね。アメリカ人だってアメリカ訛りがあります。
[エボロック
もはや正しい英語の発音の定義なんて存在しないようなものです。
その3.世界中のみんな英語の訛りがある
その2.に関係することですが、英語は誰もが認めるグローバル言語です。
話しているのはイギリスやアメリカといったネイティブスピーカーばかりではなく、英語を外国語として話す人やフィリピンのように公用語の一つとして話す人もいます。
母語の影響を受けて英語に訛りが出てきますが、みんな問題なく英語で会話をしています。
日本人は何もアメリカ英語やイギリス英語に近づけなくてもよく、相手が理解してくれるのなら日本語英語でも何の問題もないということです。
今回紹介したポイント
・発音の重要度は40パーセント
・必ずしも発音がいい=英語が上手ではない
・発音だけじゃなく単語や文法など全体的なレベルアップを目指すべき
最後に
英語の発音は完璧にできた方がいいですが、できなくてもそんなに大きな問題ではありません。
発音だけに全神経を注いで勉強するよりは、単語やイディオムなど英会話に大切な他のものを学んだ方が全体的にバランスよく英語力がアップするでしょう。
では、今回の記事が読者の皆様のためになれば幸いです。これからも英語学習頑張ってくださいね。